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保育所用コイン操作賞品機 : 安全ガイド

2026-Apr-15 Visits:305 メッセージを残す

保育園・幼稚園などの幼児施設にコイン式トイマシンやプライズマシンを設置する場合、一般的なアミューズメント施設よりも厳格な安全・法規制への対応が求められます。特に6歳未満の子どもは、主要国の玩具安全規制において保護レベルが高い年齢層です。この年齢層を主な利用者とする施設では、玩具安全基準、機械的安全性、景品の内容・サイズ、さらに地域によってはアミューズメント機器の登録・許可要件にも対応する必要があります。

本ガイドでは、保育園・幼児施設の運営者、プライズマシンメーカー、施設管理者が、幼児向け環境にクレーンゲームやプライズマシンを安全かつ適切に導入するために確認すべき基準と運用方法を解説します。

幼児施設で安全基準がより厳格な理由

2~5歳の子どもは、年長児や大人とは異なる安全リスクを持っています。

誤飲・窒息リスク。 米国消費者製品安全委員会(CPSC)では、3歳未満の子ども向け玩具について、ASTM F963に基づく小部品試験への適合が求められています。3~5歳の子どもも誤飲・窒息のリスクが高いため、マシンから提供する景品についても対象年齢に適した安全性を確認する必要があります。

操作高さと手の届く範囲。 IEC 62115(電動玩具の安全性)やEN 71(欧州玩具安全規格)では、幼児が操作する電動玩具・機器について、安全な操作距離や機械的な安全性に関する要件が定められています。

複数の規制への対応。 多くの地域では、保育施設内で子ども向けに景品を提供するコイン式マシンは、アミューズメント機器であると同時に玩具・景品を提供する装置として扱われる可能性があります。そのため、機械本体の安全規制と景品の玩具安全規制の両方を確認することが重要です。

地域別の玩具安全基準

米国

ASTM F963-23は、米国における主要な玩具安全基準です。保育施設で提供される景品についても、小部品、可燃性、フタル酸エステル、重金属などの化学物質に関する要件を確認する必要があります。

16 CFR Part 1501では、3歳未満の子ども向け製品に含まれる小部品について規定されています。対象年齢に応じて、小部品試験への適合を確認することが重要です。

また、景品パッケージには適切な対象年齢表示や、必要に応じて窒息リスクなどの警告表示を行う必要があります。

欧州連合(EU)

EN 71は、14歳未満の子ども向け玩具に適用される主要な安全基準です。特にPart 1(機械的・物理的特性)、Part 2(可燃性)、Part 3(特定元素の移行)、Part 9(有機化合物)などが景品の安全性に関連します。EU域内で流通する対象玩具にはCEマーキングが必要です。

また、IEC 62115は電気を使用する玩具・インタラクティブ機器の安全性に関する基準として、マシン本体の安全設計を確認する際に重要です。

英国

英国では、グレートブリテン市場向け製品についてUKCAマーキング制度が適用されます。The Toys (Safety) Regulations 2011などの関連規制に基づき、玩具の安全性を確認する必要があります。

オーストラリア・ニュージーランド

AS/NZS 8124が玩具安全に関する主要規格です。機械的危険性、可燃性、化学的特性などを対象としており、オーストラリアではACCCが関連する消費者製品安全規制を管轄しています。

中国

中国ではGB 6675が玩具安全に関する国家規格です。ただし、中国で製造して海外へ輸出する場合は、販売先市場の基準に合わせてASTM F963、EN 71などの適用規格を確認する必要があります。

幼児向け環境におけるマシン設計要件

キャビネットの高さと操作部

3~5歳の子どもを対象とするクレーンゲームは、子どもが登ったり無理に手を伸ばしたりすることなく操作できる高さに設計することが重要です。

  • 操作部の高さ:約85~100cm

  • 下部パネルに鋭利な角や露出した固定部品を設けない

  • 指や手を挟む可能性のある構造を避ける

  • マシンが簡単に転倒しない安定した構造にする

クレーンのグリップ力調整

6歳未満の子どもが利用する環境では、収益性だけを重視してグリップ力を強く設定するのではなく、年齢に適したプレイ体験を考慮して調整することが重要です。幼児向けでは、適度に成功体験を得られる設定が、継続的な利用につながります。なお、地域によっては景品ゲームの当選確率に関する規制が存在するため、設置前に現地のルールを確認してください。

音量の管理

EN 71 Part 1やIEC 62115では、子どもが使用する玩具の音響安全性について基準が設けられています。保育施設では、子どもの耳の高さで通常プレイ時の音量を確認し、効果音やBGMを適切なレベルに設定することを推奨します。

景品取り出し口の安全設計

景品取り出し口は、子どもが腕や手を景品収納部の奥まで入れられない構造にする必要があります。指や腕が挟まれる構造は重大な安全リスクとなる可能性があるため、開口部のサイズや内部構造を対象年齢に合わせて設計することが重要です。

幼児施設向け景品の選定基準

景品をマシンに補充する前に、以下の項目を確認することを推奨します。

  • 対象地域の玩具安全基準に適合している

  • 対象年齢に応じた小部品試験に適合している

  • 長すぎるひも、リボン、コードなどを使用していない

  • 鋭利な突起やエッジがない

  • 危険性のある磁石部品を使用していない

  • 適切な対象年齢・安全警告表示がある

  • フタル酸エステル、重金属などの規制物質が基準値を超えていない

3~5歳向けにおすすめの景品

  • 柔らかいぬいぐるみ:縫製がしっかりしており、小さなボタンなどを使用していないもの

  • 大型フォームパズル:小部品にならない十分なサイズのもの

  • 密封されたシールブックやアート用品

  • 大型の積み木・カップセット

保育施設におけるアミューズメント機器の許可・登録

玩具安全基準だけでなく、設置地域のアミューズメント機器に関する許可・登録要件も確認する必要があります。

オーストラリア: クイーンズランド州やニューサウスウェールズ州では、コイン式アミューズメント機器に関する登録・安全要件が設けられています。設置前に運営者およびマシンの登録状況を確認してください。

英国: 景品を提供するマシンについては、Gambling Act 2005などの関連規制を確認する必要があります。特に子どもが利用する施設では、対象となるカテゴリーや賭博規制への適合性を事前に確認することが重要です。

米国: 規制は州によって異なります。カリフォルニア州、フロリダ州、イリノイ州などでは、未成年者が利用する環境に商用アミューズメントマシンを設置する場合、ライセンスや登録が必要となる可能性があります。

カナダ: アミューズメント機器に関する規制は州ごとに異なります。オンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州などでは、設置前に関連する州の規制と運営者のライセンス要件を確認する必要があります。

保育施設での運用におけるベストプラクティス

1. 大人が見守れるスペースを確保する。 マシン前方に約1.5mのスペースを確保し、「大人の見守りが必要」などの案内を設置します。

2. 景品を毎日点検する。 裂けたぬいぐるみ、外れたパーツ、破損した景品などがないか確認し、問題のある景品はすぐに取り除きます。

3. 無人時間はマシンをロックする。 保育施設の活動時間以外はコイン受付を停止するなど、時間設定機能を活用して利用を管理します。

4. 景品の適合記録を管理する。 景品の仕入先、商品名、認証・試験資料、マシンへの投入日などを記録しておくと、リコールや安全上の問題が発生した際にも確認しやすくなります。

5. 定期的にコンプライアンスを確認する。 玩具安全基準は定期的に改訂されるため、少なくとも年1回、景品の仕入れ基準、マシン設定、安全対策などを見直すことをおすすめします。

よくある質問

Q:保育園に設置したクレーンゲームは、米国ではギャンブル機器になりますか?

米国では、現金ではなく景品などの物品を提供し、技術要素を含むクレーンゲームは一般的にアミューズメント機器として扱われます。ただし、具体的な分類や規制は州によって大きく異なります。設置前に、対象州の関連当局や法律専門家へ確認することをおすすめします。

Q:景品は個別に認証する必要がありますか?

はい。マシン本体の安全認証と景品の玩具安全性は別に考える必要があります。例えば、マシン本体が適切な安全基準を満たしていても、景品自体が対象市場の玩具安全基準に適合していなければ、規制上の問題となる可能性があります。景品の仕入れ時には、対象市場に適用される試験・認証資料を確認してください。

Q:幼児向けマシンにはどのような支払い方式が適していますか?

幼児施設では、低額コイン、トークン方式、施設専用のプレイカードなどが利用しやすい選択肢です。特にトークン方式は、子どもが直接現金を扱う必要がなく、施設側がプレイ回数や利用時間を管理しやすいというメリットがあります。QRコード決済を利用し、保護者がスマートフォンからプレイ回数を購入する方式も選択肢の一つです。

参考資料

  1. ASTM International — ASTM F963-23: Standard Consumer Safety Specification for Toy Safety

  2. U.S. Consumer Product Safety Commission(CPSC)— 16 CFR Part 1501

  3. European Commission — Directive 2009/48/EC on the Safety of Toys

  4. British Standards Institution(BSI)— EN 71: Safety of Toys

  5. International Electrotechnical Commission(IEC)— IEC 62115: Electric Toys — Safety

  6. Standards Australia — AS/NZS 8124: Safety of Toys

  7. UK Government — The Toys (Safety) Regulations 2011

  8. International Association of Amusement Parks and Attractions(IAAPA)— Ride and Play Experience Safety Guidelines

  9. UK Gambling Commission — Gambling Act 2005: Amusement Machine Licence Duty